クリケットの戦略(2)

前回のクリケットの戦略(1)では、基本の攻め方について述べました。 上からオープンにし、相手の点数を上回ったら相手がオープンにしている箇所をクローズする、といった流れでした。 その先、つまり自分がリードし、相手のナンバーもクローズした後の攻め方は2種類に分かれます。
一つは自分がオープンした箇所を狙って加点する攻め方、もう一つはどちらもオープンしていない箇所を狙ってエリアを広げていくか、の2種類です。 皆さんはどちらの攻め方が多いでしょうか。 もちろん、点差や残りエリアの数など、その時の状況にもよりますが、私の考えをご紹介致します。

加点とエリア拡大の使い分け

私は、加点に行くか、エリアを広げるかを使い分けております。 上記のように点差や残りエリアの数にもよりますが、基本は相手のレーティングによって使い分けます。
レーティングとは、メーカーによって数値は異なりますが、直近数十ゲームのスタッツの平均値を数値化したものです。 単純に数値が高いほどダーツが上手いと言って良いでしょう。 クリケットのレーティングを表す数値はMPRという数値で表されます。 MPRとはMARK PAR ROUNDの略で、1ラウンドあたりどれだけマークしたかを表します。 つまり、MPR3.0の場合、平均1ラウンドに3マークするという計算です。
クリケットは最大で15ラウンド、若しくは20ラウンド(メーカー・店舗等によって異なります。)続きますが、 勝負が長引けば長引くほど、スタッツは自分のMPRに近づくはずです。 どちらもクローズに行かず、20対19で点数の取り合いをしている時などは、ずっと同じ箇所を狙い続けるのでスタッツが上がる傾向にありますが、 基本は普段の自分の平均値であるMPRに近づくことが多いと思います。 つまり、長期戦になればなるほど自分のMPRに近づきやすいということです。
逆に調子が良く、自分のMPRよりも高い数値が出るときは、早く終わることが多いと思います。 例えばMPR2.5の人は大体12〜13ラウンド前後で勝負がつくと思いますが、調子が良く、MPR4.0ぐらい出ることもあるでしょう。 そんなときは大体7〜9ラウンドで終了すると思います。

さて、少し視点が変わりますが、クリケットが長期戦になるときというのは、どのようなときでしょうか。 クリケットは、点数をリードしているプレイヤーが全てのエリアを3マークすると終了します。 ということは、全てのエリアを3マークしない限り、制限ラウンド終了まで続きます。
つまり、点数を取っては取られのシーソーゲームになり、どちらもエリアを広げようとしないと長期戦になりますね。 逆にエリアを早めに取り、早めにクローズに行くと短期戦となります。

ここまでの話の流れで私が言いたいことが分かるでしょうか。 加点をすれば長期戦になりやすく、長期戦になるということはスタッツが自分のレーティングに近づきやすくなります。 逆にエリアを広げれば短期戦となり、自分のレーティングを大幅に上回るスタッツが出る可能性も高くなります。
ここまで言えばピンとくるでしょうか。 つまり、私は相手のレーティングが自分よりも下の場合は、普段の自分のスタッツを出せるよう長期戦に持ち込み、 格上の相手に挑むときは短期戦で一気に勝負をつけるためにエリアを広げにいきます。 格上の相手に長期戦を挑んでも、結局はお互いのスタッツがそれぞれのレーティングに近づき、徐々に不利な試合運びになることが多いと思います。
この理論はプロの選手からもあまり聞いたことはなく、馴染みのない戦略だと思います。 プロの方は大抵は加点にいき、一定のリードを保つようにゲームを進める方法が大半なので、エリアを広げて短期戦に持ち込むという戦い方はあまり見ません。
しかし、過去の映像でピッタリの試合がありましたのでご紹介しましょう。 片や試合のあった当初、2011年の年間ランキング1位になった星野光正プロ。 片やこの映像での試合が2011年初参戦という柳川大貴プロ。 二人の試合の3セット目(ちょうど10分のところからスタートします。)を見てください。 当時、2011年決勝トーナメントでの星野プロのMPRは5.31と日本でもトップクラスの数値を叩き出してます。
星野光正プロVS柳川大貴プロ
星野プロも4.75と決して悪くないスタッツでしたが、柳川プロが僅か5ラウンドで5.35というスタッツであっという間にこのセットを取りました。
こんな風に、例え格上のプレイヤーが相手だとしても、短期戦で相手が勢いづく前にゲームを終わらせてしまえば、勝機はあると考えております。

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